京都を代表する観光名所・嵐山のシンボル「渡月橋」。台風21号の暴風で欄干が倒れ、復旧工事が進んでいるが、復旧費用に充ててもらおうと、京都の旅館団体が18日、約137万円を京都市に寄付した。
京都府旅館ホテル生活衛生同業組合(小野善三理事長=綿善旅館)と京都観光旅館連盟(磯橋克康会長=嵐山辨慶)、日本旅館協会京都府支部(中村公紀支部長=ギオン福住)の3団体トップらが同日、市役所を訪れ、門川大作市長に目録を手渡した。
旅館のフロントなどに募金箱を設け、募金を呼び掛けると9月末までに約37万円が集まり、3団体の寄付100万円と合わせ、市に贈った。
市によると、「渡月橋の欄干の状況が世界に報道されたことで、京都観光が大きくダメージを受けたという印象を与えた。1日も早く修復し、京都、さらには関西は安全であるとのメッセージと秋の観光の魅力の発信が必要、との思いから寄付の申し出があった」(観光MICE推進室)という。
府旅組の小野理事長は「1日でも早く修復し、(京都観光の)安心安全を広めてほしい」と述べた。門川市長は「東京などに行った時に『渡月橋はもうあかんのか』と心配された。寄付に感謝するとともに、風評払しょくに全力で取り組む」と強調した。
台風の影響で、東側の欄干(全長155メートル)が約100メートルにわたって倒れた。このため、損傷した部材の修復作業を行っている。計画では11月2日には工事を終える予定だったが、市長は「10月末までに完成させる」ことを明らかにしており、紅葉シーズンに間に合うことに観光関係者は胸をなで下ろしている。
門川市長(右から5人目)に寄付の目録を渡す旅館3団体の関係者。左は府旅組のキャラクター、とま郎くん